チェコのポーランド人「エヴァ・ファルナ」の「On a knife edge」 - スラブの歌と言語(97)

今回はチェコのポーランド人「エヴァ・ファルナ(Ewa Farna)」の歌!!

歌は「On a knife edge

意味的には「不安定な状態」のことをいう。

Na ostří nože

歌手 Ewa Farna(エヴァ・ファルナ)
公開 2016年7/13

歌詞翻訳サイト LyricsTranslate

「エヴァ」は、ポーランド国境に近いチェコの村「チネツ」に生まれる。

「チネツ」は「シレジア」地方にありますが、その「シレジア」は場所的に「On a knife edge」。石炭と鉄資源をめぐって周辺勢力が争奪戦を繰り広げてきたそうです。

「チネツ」は特に鉄鋼業が盛んのようです。「シレジア」地方のほとんどがポーランドにあるなかチェコに属し、ポーランド人の割合が2001年の時点で17.7%。

「エヴァ」はそこでポーランド人の両親の元に生まれ、わずか13歳で歌手デビューし成功した。

「シレジア」地方
水色・黄色の線が過去のエリア チェコの「シレジア」地方
Silesia (Now) CZ-cleneni-Slezsko-wl
By Uploader on en.Wikipedia was en:User:Kelisi [GFDL or CC-BY-SA-3.0], via Wikimedia Commons By Kirk (Modified from Image:Cesko-kraje.svg) [GFDL or CC-BY-SA-3.0], via Wikimedia Commons

「チネツ」の場所

(Wikipedia:シレジア/Třinec)

家庭はルター派。弟の名前が「アダム」で自分が「エヴァ」。

旧約聖書で、人類最初の男女とされるアダムとエヴァEvaだが、男性名としてのアダムの人気に比べると、蛇にそそのかされてこの世に罪をもたらしたエヴァはいかにも分が悪い。

参考:人名の世界地図 21世紀研究会編(文春新書)

「エヴァ」という名前は英語圏では人気がないけど、チェコやポーランドでは一定の人気があるようです。男性を惹きつける魅力ある女性と受け止められるのだろうか?

ポーランドは信仰心の篤い「カトリック国」

チェコは欧州一「Godを信じない国」

エヴァの実家はプロテスタントの「ルター派」

エヴァの置かれた宗教面はなんとなく「On a knife edge」?!

Godを信じる割合

順位 Godを信じる
6 ポーランド 79%
最下位 チェコ 16%

(参考:Eurobarometer:2010年統計 Religion in Europe/チェコの宗教)

チェコではキリスト教が「On a knife edge」?!

チェコのキリスト教信仰者の割合(%)

宗教 1950 1991 2001 2011
キリスト教 93.1 43.5 29.5 12.6
(内)カトリック 76.3 39.0 26.8 10.4

(参考:Religion in the Czech Republic)

チェコの非キリスト教化がこれほど速いとは知りませんでした。

そこで参考に、これまで調べたキリスト教が「On a knife edge」に向かっているオランダとドイツの記事


歌詞から

飢えの壁」のように強い絆は

To pouto pevný jako hladová zeď

The bond, as strong as the Hunger Wall

ダモクレスの剣」でも引き裂かれない

ani Damoklův meč nikdy nerozdělí

Neither the sword of  Damocles never seperates

ナイフでも

Jak na nože

On the knife (edge)

(Wiktionary:pouto/pevný/ani/nikdy)

飢えの壁」とは

チェコ人の「祖国の父」とも称されるカール4世(カレル1世)が、1360年から1362年の間にプラハ城下町「マラー・ストラナ」を城壁で囲んだ。伝説によれば1361年に飢饉が発生したため生活救済のための公共工事として作られ、その城壁が「飢えの壁(Hladová zeď)」と呼ばれるようになったそうです。
(参考)
カール4世_(神聖ローマ皇帝) : ボヘミアの父 - Wikipedia
Hunger Wall - Wikipedia
Hladová zeď - Prague City Line

ダモクレスの剣」とは

「支配者の頭の上には剣が細い糸で吊り下げられている」という支配者の権力の「On a knife edge」を例えた故事。

ギリシア神話で、紀元前4世紀に植民都市シュラクサイで、臣下の「ダモクレス」が支配者ディオニュシオス2世の椅子に座らせてもらったときに、頭上に剣が細糸でつるされていると感じたという話から出来ていて、ヨーロッパ文化圏で好んで使われ、ケネディ大統領も国連演説で使用したそうです。

(参考)

ダモクレスの剣 - Wikipedia


スラブ語圏の言葉がどれだけ似ているのか比較。

「knife」

言語 文字 knife
ロシア語 キリル нож
発音 nož
ウクライナ語 キリル ніж
発音 niž
西 ポーランド語 ラテン nóż
チェコ語 ラテン nůž
スロバキア語 ラテン nôž
セルビア語 キリル но̑ж
発音 nȏž
クロアチア語 ラテン nȏž
スロベニア語 ラテン nȍž
スラブ祖語 nožь

(Wiktionary:knife/Proto-Slavic-nožь)


スラブ語の単語 - 比較リスト

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