インドネシアの悲恋バラード「Aku Takut」- 東南アジアの音楽と言語(5)

今回はインドネシアの悲恋バラード「Aku Takut」

バンド「Repvblik」のギタリスト「Hexa」の失恋体験を歌にしたそうです。

歌詞はシンプルだけど重い想い。

僕の愛は重たいと君は言う

僕のジェラシーが君を不愉快(籠の中の鳥)にする

ごめん

君を失うのが怖い

君を失うのが怖い

切ない思いが、曲に乗って伝わってくるようです。

そう感じると思いだしたのが「プリンセス プリンセス」の「M」

歌詞の内容は違いますが、こちらもドラムス「富田京子」の失恋がベースになっているようです。

M(from DVD「The Last Live」)
プリンセス プリンセス

(参考)
Kisah Pribadi, Repvblik Ungkap Pesan Di Balik Klip 'Aku Takut' - Musik.Kapanlagi.com
プリンセスプリンセス「M」の歌詞の意味が知りたい! - 音楽メディア OTOKAKE

Aku Takut

歌手 Repvblik
公開 2017年7月17日


インドネシア語を調べてみる!!

歌詞 Aku takut Kehilangan Cintamu
意味 I am afraid loss your love
(Wiktoinary:takut/kehilangan)

「cintamu」について

「cinta(love)+kamu(you)」の省略形。
2つの意味
①「your love」
インドネシア語の修飾は後ろからするので「your love」になる。
②「love you」
「I love you」も「aku cintamu/aku cinta kamu」になる。
※「your love」なのか「love you」なのかは文脈で判断する必要があるそうです。
(参考:インドネシア語 講座(もろもろのお話)その5:I LOVE INDONESIA HOMEPAGE)


さらに「cinta」(love/愛)の語源について

インドのサンスクリット語「चिन्ता (cintā)」(考える/思う)。
そこから
・ヒンディー語では「考え/悲しい思い/不安」(cintā)
・インドネシア語では「愛」(cinta)
になっていったようです。
(参考:Chinta-Wikipedia/चिंता-Wiktionary)


プリンセスプリンセスの「M」は、
電話帳で彼の名前を見ることが
インドネシア語の「愛」(cinta)から
ヒンディー語の「悲しい思い」(cintā)に
変ってしまった恋物語。

「cinta」は仏教用語として日本にも伝わってきていたようです。
「聞思修」の「三慧(さんね)」といって

 経教を見聞すること(聞慧)、理を思惟すること(思慧)、禅定を修めること(修慧)によって得る三つの智慧。(三慧とは - Weblio辞書)

この中の「思慧」の「思」が「cinta」らしいです。

しかし時代は変わって「歌」も「こころの拠り所」になりました。
Wikipediaを見ると「M」をカバーする人が多いですね。
「M」に共感する人が多いからだと思いますが、
まさに「M」を

聞き、共感(思って)して、カバー(修める)する

歌の「聞思修」ですね!!