「あ」が太陽かも?という想像?!- 日本の歌と言葉(2)

万葉集から

明け闇(暮れ)の 朝霧(あさぎり)隠(こも)り 鳴きて行く

雁(かり)は我が恋 妹(いも)に告げこそ

[原文]
明闇之 朝霧隠 鳴而去 鴈者言戀 於妹告社

参考:万葉集/第十巻 - Wikisource


「日暮れ」は「夕暮れ」のことですが、「明け闇(暮れ)」って何?

調べてみると「夜明けと夕暮れ。朝と晩。」とあります。

(明け暮れ(あけくれ)の意味 - goo国語辞書)

ここから連想して「あけ(明け)、あ(明)」も太陽のことだったらと考えを巡らせてみました。

まず狩猟採集時代の人は「日(ひ)」(太陽)は、大きい「火(ひ)」だと思った?かもしれません。

日本語の起源は諸説入り乱れていてロマンがありますが、オーストロネシア語族との関連も指摘されているようです。

オーストロネシア語族のエリア
Austroneske jazyky
By Vrata [CC BY-SA 3.0 ],
via Wikimedia Commons

そのオーストロネシア語族のなかのマレー語の場合

「日・太陽・火」は

day(日) sun(太陽) fire(火)
マレー語 hari matahari api
マレー祖語 *ari *api

(hari/matahari/api)

太陽を意味する「matahari」は「mata (“eye”) +‎ hari (“day”)」(日の目)という構成。

日本語の「まなこ」は「ま(目)」+「な(の)」+「こ(子)」で黒目(瞳)のこと。「ま(目)」がマレー語「mata(目)」に似ている。

(参考:眼(まなこ) - 語源由来辞典)

マレー語の「(h)ari」と「api」も「あ~」になっていて、「a(あ)」が「日・太陽・火」に関連している。

「日にあたる/あてる」や「火にあたる/あてる」と言いますが、この「あてる」の「あ」も「日・太陽・火」だとすると、「あ(太陽・火)てる(照る)」になって面白いなと想像してみました。

「天照」の場合、「天(あま)照(てらす)」の「あま」が「あ(日・太陽・火)+ま」で、「ま」が「ま(目)」ということは、ま~ないでしょう?!

マレー語「matahari(目+日)」と似た構成になりますが…

今回の歌は「陽のあたる場所」

陽のあたる場所

歌手 MISIA
発売 1998年