エチオピアでは新年を迎えるようです - アフリカの音楽と言語(57)

エチオピアの「Aman Yihun」

新年を祝う歌なのか、動画のコメントにあったのが、

መልካም አዲስ ዓመት
melikami ādīsi ‘ameti
Happy New Year!!

新年のことはアムハラ語で

エチオピアの新年は、ウンコタタシ(アムハラ語: እንቁጣጣሽ)と呼ばれる。これはソロモン王がシバの女王に指輪を贈ったことに由来するものである。

(Wikipedia-エチオピア暦)

シバの女王は、キリスト教やイスラム教で聖書の神へ改宗した女王として有名らしい。

旧約聖書では女王の名前やシバ国の場所が示されていないので、様々な伝説が生まれ、エチオピアでも「南の国の女王」がソロモン王に出会って太陽崇拝からイスラエルの神へ改宗し、その女王とソロモンの間にできた子供メネリクがエチオピアの初代王になったという伝説があるようです。(シバの女王:エチオピアにおける伝説-Wikipedia)

映画「インディージョーンズ」シリーズに「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」というのがありますが、その「契約の箱/聖櫃/Ark」がメネリク時代にエルサレムからエチオピアに運ばれたという伝説もあり、エチオピアでは自国に「契約の箱」があると信じているようです。

新年は、なんで今?

「ナイルの賜物」と呼ばれるエジプトでは、ナイル川の増水を利用して、小麦などの種を蒔きはじめる時期で、古代エジプトの太陽暦の頃から、この時期が新年1月に定められたのかもしれません。

ちなみに、エチオピア歴には13か月あって、1月-12月が30日、13月が5日または6日あり、今年は、9月11日(グレゴリオ暦)がエチオピアの新年1月1日のようです。

しかも、キリスト生誕年の解釈が異なり、2011年になります。

歌のタイトルの意味は「Amen、let it be」

訳すと「その通り、そのままに」?!

※アーメンは、ヘブライ語で、「本当に」「まことにそうです」「然り」「そうありますように」の意。(引用:Wikipedia-アーメン)

古代エジプトでは太陽暦を利用していただけでなく太陽神「アメン」も信仰していましたが、エジプト在住経験のあったアブラハムの宗教の言葉「Amen/アーメン」との関係も気にはなります。

Aman Yihun | አማን ይሁን

歌手 Dawit Tsige
公開 2018年9月4日

種まき(つまり新年)の時期を決めたナイル川の増水をもたらすものは、「アメン(太陽神)」でも「アーメン(Amen)」でもなく、エチオピア高原に降る「雨」らしい。

その雨が新しい「‘ameti(year/年:アムハラ語ዓመት)」の訪れを知らせてくれるのでしょう。

ナイル川
River Nile map
By Hel-hama [CC BY-SA 3.0 ],
from Wikimedia Commons

歌の雰囲気が沖縄民謡に似ているように思えた。

そこで、沖縄で盛り上がった時に演奏される民謡「嘉手久~唐船どーい」

頭の上で手をまわしながら踊るのが「カチャーシー

エチオピア「Aman Yihun」で、似た?踊りのシーン。

カチャーシーは、沖縄方言の訛(なまり)で「かき回し」という意味のようです。

沖縄民謡 カチャーシー 嘉手久~唐船どーい

歌手 乙女椿


山城ウメトさん94歳、カチャーシー踊る!!