「あすか・よしの・あかめ」地名の付け方を想像!- 日本の歌と言葉(8)

大和地方の地名の付け方について、想像を巡らせてみました。

「あすか・よしの・あかめ」など…

「あすか」
古代、奈良の大和で、朝(あす)に「まつり(政)ごと」をしていた場所()?
大和「朝」廷とも呼ばれていました。

(参考)
明日(あす) - 語源由来辞典
処(か)の意味 - 古文辞書 - Weblio古語辞典:場所の意。(例:住みか)
朝廷 - Wikipedia
「あした」は「あさ」のことだった - 日本の歌と言葉(1)


「あかめ」

古代、夜が明ける頃を「あかとき」と読んでいたようですが、その「あか」と「め(目)」の構成になっています。

夜が明ける時の「め(目)」は「太陽」を想像できます。

従って「あすか」から見て「明け方に太陽の出る方向の土地」ということで「あかめ」になったのか???

昼:人間の時間 夜:神の時間
アサ ユウベ
ヒル ヨヒ
ユフ ヨナカ
アカトキ
アシタ

(参考)
「あ」が太陽かも?という想像?!- 日本の歌と言葉(2)
あかとき - Weblio辞書

ドイツ語になりますが、「morgen」には「明日」と「朝」以外に古くは「東/east」という意味もあったそうです。
つまり「明日・朝・東」は同じ言葉「morgen」だった可能性も考えられ、しかも「東/east」の祖語を辿ると「夜明け/dawn」や「光る/to shine」という意味の言葉に行き着くようです。

さらに「to shine/eastern」の印欧祖語は「*aus-/*austero-」で、「あす」を連想したくなる。他人の空似みたいでしょうが。

印欧祖語

意味
印欧祖語

*aus- to shine
*austero- eastern
*h₂ews- dawn/east

(参考)
Wiktionary:Morgen/eastern/*h₂ews-
Wikipedia:


「よしの」

夜をすごすところ?

万葉集、

み吉野の 山のあらしの 寒(さむ)けくに

はたや今夜も 我が独り寝む

[原文]
見吉野乃 山下風之 寒久尓 為當也今夜毛 我獨宿牟

参考
万葉集/第一巻 - Wikisource


まとめると

・「よしの」で夜を過ごし

・「あかめ」の方から太陽が顔を表して明け方になると

・「あすか」に赴き政(祭)事を行う

「よしの」から「あすか」は遠いと思いますが、古代では通勤?したいた??


そして「いせ・いが・いぶき(やま)」です。

「あかめ」よりさらに東にある土地。

この「い」は「息・風・生命」の意味だと仮定して、太陽の再生(あかめ)と共に「生命の再生」の意味を込めて「いせ・いが・いぶき」が名付けられたと考えると、個人的に納得できて結構気に入っています。

伊勢国風土記には

神風の伊勢の国、常世の浪寄せる国

古代ギリシャの言葉に「プネウマ」というのがあり、意味は「息・風・空気」。

それがギリシャ哲学では、意味も「呼吸・生命・エネルギー・精神・悪霊・精霊など」に広がり、日本ハリストス正教会では「神」と訳しているようです。

呼び方は「い」と「プネウマ」で変わりますが、その言葉の中に、息・空気・風・生命そして神の概念を含ませていて、思考傾向は案外似るもんですね!!

※「い」の解釈については個人的想像です。

(参考)
息吹くの意味 - 古文辞書 - Weblio古語辞典
「伊賀地方のエゾ語系地名」を読む - 伊賀の生活情報誌「いわネット」
万葉集その二百九十六(神風) : 万葉集遊楽
プネウマ(Wikipedia)

そこで歌は風の歌

安芸灘の風

歌手 レーモンド松屋
公開 2010年10月28日