プリンス&プリンセスが歌いつなぐフィリピンのバラード「Pusong Ligaw」- 東南アジアの音楽と言語(16)

フィリピンのバラード「Pusong Ligaw」

イケメン俳優「Jericho Rosales」の作品を

「Philippines’ Soul Princess(フィリピンの心のプリンセス)」

と評される「Jona」がカバー!!

Pusong Ligaw

歌手 Jona
公開 2017年4月4日

歌詞翻訳サイト LyricsTranslate

「Pusong Ligaw」の意味ですが

歌詞翻訳サイトでは「Lost Heart」

Google翻訳を参考にすると「Wild Heart」

Wiktionary辞書の意味は「Foolish Heart」

歌詞の内容に

「Pusong Ligaw」が探しているのは「Ikaw(あなた)」

とあるので「Lost Heart」が作者の思いに近いのかもしれません。

そこで歌を作った「Asia's Prince of Dramas(アジアのドラマ王子)」こと

「Jericho Rosales」が歌う歌詞動画です。

Pusong Ligaw

歌手 Jericho Rosales
発売 2009年

歌(Wikipedia) Pusong Ligaw (song)

歌はタガログ語(フィリピノ語)ですが、1・2人称の代名詞がマレー語と似ている。

人称 タガログ語 マレー語
あたし ako aku
きみ ka/ikaw(文頭) kamu
あたしたち(相手含まない) kami kami
あたしたち(相手含む) tayo kita
きみたち kayo kalian

(参考:Wikipedia,タガログ語の文法,Malay grammar)

日本語では奈良時代以前から平安時代まで使われた1人称に「」があるようですが、

やっぱり気になるのは「kamu」や「kami」

最近「かみ(神)」の語源をあれこれ想像していて、現在の個人的な仮説は

「か(果)+み(実)」

生活の「かて」 「か(果)+み(実)」 手に入れる方法
漁撈 さかな 「かる」
稲作 こめ 「かる」
狩猟 くま、いのしし、… 「かる」
採集 くり、くるみ、きのみ 「かる」

「かみ」とは

"か"が来る=(かる)

"み"が手に入る

という仮説を立てていますが、ではこの「か」は、なぜ「か」なのか?

というのが次の疑問です。

いくつか候補を考えていますが、タガログ語やマレー語などオーストロネシア語族の人称にある「ka-」、これも候補です。

「きみ」や「ka(mu)」は「来た人」をいい

「かみ」(果実)は「かって来たもの」をいい

「kami」(わたしたち)は「わたしのところへ来て一緒(mi)になった人たち」という意味か?

そんな想像です。

ヴュルム氷河期(BC70000年頃~BC14000年頃)には現在のインドネシア・マレーシア・タイは陸地でつながっていて、さらに中国大陸・朝鮮半島・日本列島も陸地でつながっていたので陸路での移動は可能だったようです。(参考:スンダランド)

氷河期のインドネシア・マレーシア・タイなどの海岸線
Map of Sunda and Sahul
By Maximilian Dörrbecker (Chumwa)
(Self made, using this map for the background)
[CC BY-SA 3.0 ], via Wikimedia Commons