讃阿弥陀仏偈和讃 愚禿親鸞作

弥陀成仏の このかたは いまに十劫を へたまへり
法身の光輪 きはもなく 世の盲冥を てらすなり
智慧の光明 はかりなし 有量の諸相 ことごとく
光暁かぶらぬ ものはなし 真実明に 帰命せよ
解脱の光輪 きはもなし 光触かぶる ものはみな
有無をはなると のべたまふ 平等覚に 帰命せよ
光雲無碍 如虚空 一切の有碍に さはりなし
光沢かぶらぬ ものぞなき 難思議を 帰命せよ
清浄光明 ならびなし 遇斯光の ゆゑなれば
一切の業繋(ごうけ)も のぞこりぬ 畢竟依を 帰命せよ
仏光照曜 最第一 光炎王仏と なづけたり
三塗の黒闇 ひらくなり 大応供を 帰命せよ
道光明朗 超絶せり 清浄光仏と まうすなり
ひとたび光照 かぶるもの 業垢(ごっく)をのぞき 解脱をう
慈光はるかに かぶらしめ ひかりのいたる ところには
法喜をうとぞ のべたまふ 大安慰を 帰命せよ
無明の闇を 破するゆゑ 智慧光仏と なづけたり
一切諸仏 三乗衆 ともに嘆誉 したまへり
光明てらして たえざれば 不断光仏と なづけたり
聞光力の ゆゑなれば 心不断にて 往生す
仏光測量 なきゆゑに 難思光仏と なづけたり
諸仏は往生 嘆じつつ 弥陀の功徳を 称せしむ
神光の離相を とかざれば 無称光仏と なづけたり
因光成仏の ひかりをば 諸仏の嘆ずる ところなり
光明月日に 勝過して 超日月光と なづけたり
釈迦嘆じて なほつきず 無等等を 帰命せよ
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弥陀初会の 聖衆は 算数のおよぶ ことぞなき
浄土をねがはん ひとはみな 広大会を 帰命せよ
安楽無量の 大菩薩 一生補処に いたるなり
普賢の徳に 帰してこそ 穢国にかならず 化するなれ
十方衆生の ためにとて 如来の法蔵 あつめてぞ
本願弘誓に 帰せしむる 大心海を 帰命せよ
観音・勢至 もろともに 慈光世界を 照曜し
有縁を度して しばらくも 休息あること なかりけり
安楽浄土に いたるひと 五濁悪世に かへりては
釈迦牟尼仏の ごとくにて 利益衆生は きはもなし
神力自在 なることは 測量すべき ことぞなき
不思議の徳を あつめたり 無上尊を 帰命せよ
安楽声聞 菩薩衆 人・天智慧 ほがらかに
身相荘厳 みなおなじ 他方に順じて 名をつらぬ
顔容端正 たぐひなし 精微妙躯 非人天
虚無之身 無極体 平等力を 帰命せよ
安楽国を ねがふひと 正定聚にこそ 住すなれ
邪定・不定聚 くにになし 諸仏讃嘆 したまへり
十方諸有の 衆生は 阿弥陀至徳の 御名をきき
真実信心 いたりなば おほきに所聞を 慶喜せん
若不生者の ちかひゆゑ 信楽まことに ときいたり
一念慶喜 するひとは 往生かならず さだまりぬ
安楽仏土の 依正は 法蔵願力の なせるなり
天上天下に たぐひなし 大心力を 帰命せよ
安楽国土の 荘厳は 釈迦無碍の みことにて
とくともつきじと のべたまふ 無称仏を 帰命せよ
已・今・当の 往生は この土の衆生 のみならず
十方仏土 よりきたる 無量無数 不可計なり
阿弥陀仏の 御名をきき 歓喜讃仰 せしむれば
功徳の宝を 具足して 一念大利 無上なり
たとひ大千 世界に みてらん火をも すぎゆきて
仏の御名を きくひとは ながく不退に かなふなり
神力無極の 阿弥陀は 無量の諸仏 ほめたまふ
東方恒沙の 仏国より 無数の菩薩 ゆきたまふ
自余の九方の 仏国も 菩薩の往覲 みなおなじ
釈迦牟尼如来 偈をときて 無量の功徳を ほめたまふ
十方の無量 菩薩衆 徳本うゑん ためにとて
恭敬をいたし 歌嘆す みなひと婆伽婆を 帰命せよ
七宝講堂 道場樹 方便化身の 浄土なり
十方来生 きはもなし 講堂道場 礼すべし
妙土広大 超数限 本願荘厳 よりおこる
清浄大 摂受に 稽首帰命 せしむべし
自利利他 円満して 帰命方便 巧荘厳
こころもことばも たえたれば 不可思議尊を 帰命せよ
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神力本願 及満足 明了堅固 究竟願
慈悲方便 不思議なり 真無量を 帰命せよ
宝林・宝樹 微妙音 自然清和の 伎楽にて
哀婉雅亮 すぐれたり 清浄楽を 帰命せよ
七宝樹林 くににみつ 光耀たがひに かがやけり
華菓枝葉 またおなじ 本願功徳聚を 帰命せよ
清風宝樹を ふくときは いつつの音声 いだしつつ
宮商和して 自然なり 清浄勲を 礼すべし
一一のはなの なかよりは 三十六百 千億の
光明てらして ほがらかに いたらぬところは さらになし
一一のはなの なかよりは 三十六百 千億の
仏身もひかりも ひとしくて 相好金山の ごとくなり
相好ごとに 百千の ひかりを十方に はなちてぞ
つねに妙法 ときひろめ 衆生を仏道に いらしむる
七宝の宝池 いさぎよく 八功徳水 みちみてり
無漏の依果 不思議なり 功徳蔵を 帰命せよ
三塗苦難 ながくとぢ 但有自然 快楽音
このゆゑ安楽 となづけたり 無極尊を 帰命せよ
十方三世の 無量慧 おなじく一如に 乗じてぞ
二智円満道 平等 摂化随縁 不思議なり
弥陀の浄土に 帰しぬれば すなはち諸仏に 帰するなり
一心をもちて 一仏を ほむるは無碍人を ほむるなり
信心歓喜 慶所聞 乃曁一念 至心者
南無不可思議 光仏 頭面に礼し たてまつれ
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仏慧功徳を ほめしめて 十方の有縁に きかしめん
信心すでに えんひとは つねに仏恩 報ずべし

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