アフリカとジャマイカのコラボ「Africa x Jamaica」
ガーナとジャマイカの音楽、スポーツ、文化、旅行、投資を促進する目的でエンターテインメント関連の企業等が開催している「Ghana Jamaica Homecoming Festival」の一環として作られた歌のようです。
ジャマイカのレゲエ家族「Morgan Heritage」と、ガーナの「Stonebwoy」とタンザニアの「Diamond Platnumz」が、コラボしています。
Africa x Jamaica
歌手 | Morgan Heritage feat. Diamond Platnumz & Stonebwoy |
公開 | 2018年10月19日 |
なぜガーナとジャマイカの「Homecoming Festival」なのか?
動画コメントを見ると、ガーナの「Stonebwoy」は、ダンスホール・レゲエ(Dancehall Reggae)のキング。
ガーナの音楽賞「Vodafone Ghana Music Awards」で、前々回(ガーナの"King"たちが歌う「監視カメラ」)に登場したキングたち(Sarkodie/R2Bees)と同じく優勝していました。
年 | 優勝者 |
---|---|
2010 | Sarkodie |
2011 | V.I.P |
2012 | Sarkodie |
2013 | R2Bees(メンバー:Mugeez) |
2014 | Shatta Wale |
2015 | Stonebwoy |
(Wikipedia:Vodafone Ghana Music Awards)
ガーナとジャマイカは「レゲエ」でつながっていそうです。
「大衆音楽史 ジャズ、ロックからヒップ・ホップまで(森正人著)」を読んでいたら、ジャマイカに生まれイギリスで活動するレゲエミュージシャンのジャー・シャカについて
彼はガーナ、エチオピア、ジャマイカの学校に本や薬品などを提供する「ジャー・シャカ基金」を運営
とあって、またガーナとジャマイカが繋がった。
もしかして、ジャマイカの人たちはガーナから来たのか?
年 | 出来事 |
---|---|
1494 | コロンブス、上陸 |
1503 | コロンブス、再び上陸 |
1509 | フアン・デ・エスキベル、征服 |
1517 | スペインの征服者、最初の黒人奴隷を連行 |
タイノ族/アラワク族、疫病、奴隷制度、戦争により絶滅 | |
西アフリカの黒人奴隷、サトウキビのプランテーションへ連行 |
(Wikipedia:ジャマイカの歴史#スペイン植民地時代)
「西アフリカ」のどこから?
ジャマイカの言語は英語ですが、階層によって方言があるようです。
階層方言 | 例文 | アフリカ諸語と英語の混交 |
---|---|---|
下層方言 | Im a wok ova de-so | 大きい |
低い中層方言 | Im a workin' ova de-so | 中の大 |
高い中層方言 | (H)e is workin' over dere | 中の少 |
上層方言 | He is working over there. | 少ない |
(Wikipedia:ジャマイカ英語#言語の使用:標準語とクレオール語)
アフリカ諸語と英語の混交が大きい方言が「ジャマイカ・クレオール語」と呼ばれ、そのアフリカ諸語とは「アカン語、イウェ語、ヨルバ語」らしい。(ジャマイカ#言語)
アカン語 | エウェ語 | ヨルバ語 |
---|---|---|
国:ガーナ、コートジボワール | 国:ガーナ、トーゴ | 国:ナイジェリア、ベナン、トーゴ |
話者数:8,314,600人 | 話者数:約300万人 | 話者数:約2000万人 |
西アフリカと植民地以前のアフリカ
西アフリカ | 植民地以前のアフリカ |
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Mondo Magic [Public domain], from Wikimedia Commons | Jeff Israel (ZyMOS) [GFDL or CC BY-SA 3.0], from Wikimedia Commons |
ジャマイカへ来たガーナ人が多いので、「Ghana Jamaica Homecoming Festival」なのかもしれません。
再び、ジャマイカ英語の話題になりますが、上表のほかに、ラスタファリアンが使用する英語もあるようです。「ラスタファリアン」はエチオピア最後の皇帝を聖書の神「ジャー (Jah)/ヤハウェ」の化身として崇め、エチオピア(アフリカ)を約束の地「Zion(ザイオン)」と考える人たちで、エチオピアにはラスタファリアンが住む村「Shashemene」も残っています。
レゲエ魂、ジャマイカからエチオピアへ「Ethio Shake | ኢትዮ ሼክ」- アフリカの音楽と言語(46)
ラスタファリアン歌手といえば「ボブ・マーリー」ですが、彼の息子「Stephen Marley」の「Rock Stone」には、奴隷として連れてこられ、今も貧困から抜け出せない子孫の叫びが歌われているようです。
キング・セライエ1世(エチオピア最後の皇帝)よ、キングの中のキングよ
Hail the King Selassie I, the conquering lion
石が俺の枕だった
Rock stone was my pillow
助けてくれ、神「ジャー」よ
Help us Jah
スラムから救ってくれ
Take us from the slum
「the conquering lion」について
「ラスタファリアン」は「セライエ1世」を「KING of Kings, LORD of lords, Conquering Lion of Judah, Elect of God, the Light of the World」と呼ぶようです。
元はユダ族のシンボルであるライオン「Lion of Judah」のことらしい。
(参考:Lion_of_Judah#Rastafari_movement)
Rock Stone
歌手 | Stephen Marley - ft. Capleton, Sizzla |
公開 | 2014/08/05 に公開 |
「Ghana Jamaica Homecoming Festival」のプロジェクトは、「ガーナ x ジャマイカ」だけでなく「アフリカ x カリブ海」諸国に広げたいために、(東)アフリカで絶大な人気を持つタンザニアの「Diamond Platnumz」が起用されているようです。
しかも、ジャマイカの「Morgan Heritage」とタンザニアの「Diamond Platnumz」は2017年にもコラボしています。
Hallelujah
歌手 | Diamond Platnumz feat. Morgan Heritage |
公開 | 2017年9月28日 |