木村無相 念仏詩
2017/4/11
1904-1984
熊本県に生まれ。
「続念仏詩抄」( 1985年 永田文昌堂)より
●こころ |
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こころ |
ころころ |
どこまで |
ころぶ |
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ころんでは |
おき |
おきては |
ころび |
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こころ |
ころころ |
どこまでも |
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ナムアミダブツ |
ナムアミダブツ |
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●ねんぶつの中 |
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どれだけ |
迷うても |
ねんぶつの中 |
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称えても |
称えなくても |
ねんぶつの中 |
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信じても |
信じなくても |
ねんぶつの中 |
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ナムアミダブツ |
ナムアミダブツ |
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●なにもかも |
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なにもかも |
空しとおもう |
わがムネを |
そとかいいだく |
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ナムアミダブツ |
ナムアミダブツ |
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なにもかも |
空しけれども |
美しと |
おもわるる夜ぞ |
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ナムアミダブツ |
ナムアミダブツ |
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●この息が |
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わが生きの身の |
この息が |
如来の息と |
聞きぬれば |
如来とはなるる |
ときぞなき |
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わが生きの身の |
この息が |
ナムアミダブツと |
聞きぬれば |
み名とはなるる |
ときぞなき |
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ナムアミダブツ |
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●おん聞かせ |
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ナムアミダブツの |
おん声が |
胸にひびいて |
ナムアミダブツ |
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称うるままに |
おん聞かせ |
助くるぞよと |
おん聞かせ |
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ナムアミダブツ |
ナムアミダブツ |
ナムアミダブツ |
ナムアミダブツ |
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●ナムアミダブツ |
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ナムアミダブツは |
ご方便 |
如来真実の |
ご方便 |
自然を知らせん |
ご方便 |
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親鸞聖人 |
自然法爾章に |
”ミダブツとは |
自然のようを |
しらせんりようなり” |
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ナムアミダブツ |
ナムアミダブツ |
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●仰せ一つ |
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ナムアミダブツに |
どう聞いた |
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”汝を救う”と |
こう聞いた |
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”汝を救う”の |
この仰せ |
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仰せ一つの |
ほかはない |
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ナムアミダブツの |
ほかはない |
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●今の今 |
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昨日はすぎ去り |
明日はまだ |
わたしの人生 |
今日一日 |
今の今を |
生きるのです |
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今のひと息 |
ひと息に |
はなれたまわぬ |
ナムアミダ |
ひと息ごとに |
ミダブツの |
ご恩いただく |
今の今 |
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●後生の一大事 |
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後生の一大事 |
心配無用 |
お助けさまが |
お引きうけ |
お助けさまに |
マルまかせ |
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ともかくも |
弥陀にまかせて |
まいるべし |
極楽なりと |
地獄なりと |
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ナムアミダブツ |
ナムアミダブツ |
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●一大事 |
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後生の一大事は |
如来さまの一大事 |
わたしの一大事は |
名利の満足 |
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こんなわたしを |
どこどこまでも |
救わにゃおかんが |
如来さまの一大事 |
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後生と聞いたら |
ナムアミダブツと |
如来さまの仰せ |
いただくばかり |
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ナムアミダブツ |
ナムアミダブツ |
ナムアミダブツ |
ナムアミダブツ |
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●摂取して |
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弥陀の名号 |
となえつつ |
そのみこころを |
み名に聞く |
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聞えたまいて |
ナムアミダ |
現れたまいて |
ナムアミダ |
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”摂取して捨てざれば |
アミダと名づけたてまつる” |
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ナムアミアブツ |
ナムアミダブツ |
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●光へ往かん |
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ナンマンダブツは |
光が呼ぶ声 |
み名称えつつ |
み名に聞きつつ |
呼ばるるままに |
光へ往かん |
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”呼び声が |
ちからなりけり |
旅の空 |
雨ふらば降れ |
風ふかば吹け” |
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ナンマンダブツ |
ナンマンダブツ |
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●それが証拠に |
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江州稲葉の妙慰曰く |
”わたしが |
忘れるで |
アナタ(如来さま)が |
忘れておくれぬ |
わたしが |
離れるで |
アナタが |
離れておくれぬ |
わたしが |
思わぬで |
アナタが |
思いずめにして |
くださるる” |
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それが証拠に |
ナムアミダブツ |
行住坐臥も |
えらばれず |
ハラが立つに |
つけても |
ナムアミダブツ |
欲がおこるに |
つけても |
ナムアミダブツ |
くださるる |
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ナムアミダブツ |
ナムアミダブツ |
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ナムアミダブツ |
ナムアミダブツ |