イタリア・ボローニャ、「働き方」問いかけソング?!- ロマンス語の歌と言語(175)

今回はイタリアの「Una Vita In Vacanza」

意味は「A Life on Vacation」

ボローニャの5人組バンド「Lo Stato Sociale」が歌う

働き方・雇用問題への問いかけソング?!

(歌詞)

あなたの仕事は…

あなたはウエイター、(あなたは)保険代理人
E fai il cameriere, l'assicuratore,
(あなたは)世界チャンピオン、
il campione del mondo,

(あなたは)ファッションブロガー
la blogger di moda

問いかけ

なぜ、それをしているの?
perché lo fai?
なぜ、辞めないの?
Perché non te ne vai?

Una Vita In Vacanza

歌手 Lo Stato Sociale
公開 2018年2月7日

歌詞翻訳サイト LyricsTranslate
歌(Wikipedia) Una vita in vacanza

辞めれば「A Life on Vacation」

すべての楽団が演奏し歌う
ma tutta la banda che suona e che canta
それまでとは違う世界
per un mondo diverso,
自由と失っていた時間
libertà e tempo perso

でも仕事辞めたら食べてゆけなくなるのに

「なぜ、辞めないの?」と問いかけるのか?

イタリアの雇用問題に関する記事をいくつか読んでみると、どうもイタリア人は職業を変えずに、ずっと同じ職業を守り続けるような傾向が強く、しかもなかなか退職しないために若者が待機状態になっている側面もあるようです。

歌では背景が語られていませんが、若者のために「なぜ、辞めないの?職を譲って」という意味が込められているのだろうか?

というのも、「辞めれば A Life on Vacation」の生活に関するフレーズに

年配の女性がダンシング!!
una vecchia che balla,

映像でも(2:41~)、83歳のサルサダンサー「Paddy Jones」が登場。イギリス人の「Paddy Jones」は夫の定年後に夫婦でスペインへ移住。しかし2年後に夫が亡くなってしまいますが、その後フラメンコダンスに通い始め、教室の先生「Nico」とコンビを組んで「Britain's Got Talent」をはじめ系列の番組に出演している有名ダンサーのようです。

若者に職を譲り退職(定年)後の人生を楽しんで?!

また、他の意味合いとして、

働くために生きるのか
Vivere per lavorare
生きるために働くのか
o lavorare per vivere,

バンド「Lo Stato Sociale」の出身ボローニャは「人生は楽しむもの」という観点が大切にされているらしいので、スローワーク?!リラックスワーク?!の提案もあるかも。

バンド名「Lo Stato Sociale」は、2009年頃、不況で雇用問題が連日のように新聞で報道されていたので、自分たちの解決策として「社会国(Lo Stato Sociale)」という名前にしたようです。

ボローニャは歴史的にイタリアの中でも「革新的」で自由・社会主義などの旗振り地域

1088年 ヨーロッパ最古の大学「ボローニャ大学」が創立
1256年 天国法(Legge del Paradiso)。公共の資金を使って封建的農奴廃止と奴隷解放を訴える
ルネサンス時代 一部女性の専門的職業・大学入学が可能
1960年代~1980年代 バスの時間限定無料化、高齢者のバカンスの無料化など(ただし財政悪化)

現在「ボローニャ大学」には10万人の学生が通い、学期中は市の人口も40万から50万になるそうですから、雇用問題への関心は強くなるのでしょう。

(参考)
ボローニャ (Wikipedia)
Lo Stato Sociale: 50% impegno, 50% cazzeggio (Rolling Stone Italia)
イタリアの2017年11月の失業率と若者の失業問題 – Sagra(サグラ)
イタリアの雇用問題は人ごとではない!? – ENCircle
想像以上に闇が深い...イタリア人がイタリアを大嫌いな7つの理由


フレーズの各ロマンス語訳

イタリア語 perché lo fai?
スペイン語 ¿Por qué lo haces?
ポルトガル語
por que você faz isso?
意味 why are you doing it?

(参考)
Wiktionary:fare-Italian
Wikipedia:スペイン語/ポルトガル語/イタリア語の文法