タミル語映画ソング「お願い、ダンスの神様」- インド文化圏の音楽(30)

タミル語映画ソング「Iraiva Iraiva」

映画は主人公の「ラクシュミー」が全国ジュニアダンス大会(Pride of India Jr.)で優勝を目指すストーリー。

MVは決勝のパフォーマンス。観客席で指揮者のように振る舞っているのは「ラクシュミー」のダンスの先生のようです。

なぜダンスで指揮?と思ったら、決勝の前日に「ラクシュミー」が交通事故で耳が聞こえなくなってしまったために、曲と振付を合わせる指揮をしたらしい。

嫌がらせや、ハンディキャップを乗り越えて、「ラクシュミー」が会場と一体となって踊る展開に感動!!

リングに乗ったダンスポーズ(MVの最初の静止画像、さらに最後のダンスポーズ)は、ダンス王シヴァのレリーフで使われる決めポーズのようです。

10世紀のシヴァのブロンズ像ダンス王(Nataraja)
Shiva as the Lord of Dance LACMA edit1 dancing Hindu god Shiva Nataraja Tanjore, India
Los Angeles County Museum
of Art [Public domain]
Vassil [Public domain],
from Wikimedia Commons
Jean-Pierre Dalbéra from Paris,
France [CC BY 2.0],
via Wikimedia Commons

Iraiva Iraiva

歌手 Sam C.S.
映画 Lakshmi
公開 2018年9月14日(MV) 

タイトルの「Iraiva Iraiva」の意味は、「神様、神様」

ダンス大会の映画なので、神様はダンス王「シヴァ」だと思う。

意訳すれば「お願い、ダンスの神様シヴァ」かもしれない。

「Iraiva」の意味を調べていたら、語源について興味をそそる仮説があった。

「IRAI (இறை )」はマスター、王、神などの立場が上の人や、高さ、頭などの意味で、簡潔に言えば"えらい"感じがします。そして語源の流れが

 ERU (ஏறு) —-> ERAI (ஏறை) —-> IRAI (இறை )

「ERU」(意味:上る)から「ERAI」、そして「IRAI」

「Iraiva」は"えらい(ERAI)"から?!


参考

(Wikipedia)

(Witionary)


「シヴァ」と「ラクシュミー」について、これまでのまとめ。

シヴァラクシュミー
リグ・ヴェーダ(形容辞)"吉祥な""吉祥な宝/auspicious fortune"
その後ダンス王ヴィシュヌの妻
日本伝来大黒天吉祥天

「リグ・ヴェーダ」(知識の讃歌)は古代インドで最も古い聖典

(関連記事)

(Wikipedia)