「クリシュナ」は「なんだーなんだん(Nanda-nandan)」- インド文化圏の音楽(9)

映画「Bajrangi Bhaijaan」から「Tu Jo Mila」のつづき。

歌詞から

君の神を探していたら、私の神を見つけた

Dhoondte tera khuda mujhko rab mila

Looking for your God, I found my God

「神/khuda/rab」について。

まずヴェーダで「天界・空界・地界の3界の33神」という設定があるようです。

天界・空界・地界の三界の33神
天界11神の中から
ディヤウス
太陽 スーリヤ
空界11神の中から
インドラ
ヴァーユ
パルジャニヤ
地界11神の中から
プリティヴィー
アグニ
ソーマ

その後、この3界を超える神が出現しました。

それが「ヴィシュヌ」

●3界を3歩で超える!!

巨大化して、1歩で地上を、2歩目で空界を、3歩目で天界をまたいだという神話があるそうです。もしかして「天界・空界・地界の三界の33神」を超える神、3千大千世界の最高神という意味付けをされた?

●遍満!!

「すべての中に存在する」という意味がある。

●化身!!

ヴィシュヌは無数に「降下・化身」(アヴァターラ)し、有名な10個の中には、ブッダやクリシュナもいる。

これらのことから、「千大千世界」に「遍満」し、様々に「化身」すると聞けば、日本の仏教と同じではありませんか?!

大乗仏教はインド発祥ですから、当然と言えば当然かもしれません。

たとえば、阿弥陀経では三千大千世界にガンジス川の砂の数ほど仏があまねく存在すると説いたり、毘盧遮那はサンスクリット語の「ヴァイローチャナ(Vairocana)」の音訳で「遍く照らす」を意味したりするようですが、

「遍満」に関連して次のような和歌もあります。

月影のいたらぬ里はなけれども 眺むる人の心にぞすむ (法然)

(参考)
Wikipedia:仏の一覧/阿弥陀経/毘盧遮那
中公新書:「ヒンドゥー教 ー インドの聖と俗」(森本達雄著)


そこで今回は「ヴィシュヌ」の「化身」である「クリシュナ」の歌

「Kanha re」(おー、クリシュナ)

クリシュナの養父が「ナンダ」のようで、

歌詞では「なんだーなんだん(Nanda-nandan)」が「ナンダの息子」という意味。

Kanha re....
おー、クリシュナ
Nanda-nandan...
ナンダの息子

(Nandanandana (meaning son of Nanda) by Wikipedia:Nanda Baba)

そのクリシュナは、

真珠のビーズの声をして、ピュアで、苦悩を無くしてくれる

生まれ故郷「ヴリンダーヴァン」で女性の囲まれている

という内容のようです。

ちなみに妃は約16000人だそうです。

(Wikipedia:ヴリンダーヴァン/クリシュナ)

「ヴリンダーヴァン」の場所

Kanha Re

歌手 Neeti Mohan ft. Shakti Mohan, Mukti Mohan
公開 2018年4月10日

歌詞翻訳サイト indilyricS.in

Tu Jo Mila

歌手 K.K.
映画 Bajrangi Bhaijaan (Wikipedia)
公開 2015年

映像

歌詞