日本語は同じ系統の言語が見つかっていない。
仮説はいくつか登場していますが、いづれも決定打に欠けるようです。
逆に、想像を膨らませる余地があります。
比較言語の類似性を大雑把にまとめてみました。(日本語の起源-Wikipedia)
比較言語 | 語彙の類似性 | 文法の類似性 |
---|---|---|
オーストロネシア語 | 一部(偶然の一致か?) | ー |
アイヌ語 | 不十分 | ー |
ドラヴィダ語族・タミル語 | 語彙・文法の共通点には、批判も多いようです | |
中国語 | 語彙の影響はあるが、同系統ではない | |
扶余語・高句麗語・百済語 | 資料がほとんどない | |
朝鮮語 | ー | 高い |
アルタイ系言語 | ー | 高い |
以前、オーストロネシア語族のなかのマレー語を通して、「あ」が「太陽」かもという想像をしてみました。
(参考:「あ」が太陽かも?という想像?!- 日本の歌と言葉(2))
今回は「かがやく」と「ひかる」
まずは「かがやく」について。
歌は「輝きだして走ってく」と「輝きながら・・・」
輝きだして走ってく | 輝きながら・・・ |
---|---|
歌手:サンボマスター | 歌手:德永英明 |
公開:2018年7月20日 | 発売:1987年7月5日 |
古代の人たちが「火が焼く」状態を「かがやく」と言ったと想像して、「火(か)」の語源を見てみると、呉音「か」があります。
火 | 日 | |
---|---|---|
呉音 | か | にち |
漢音 | か | じつ |
訓読 | ひ(hi),ふ(fu),ほ(ho) | ひ(hi),ふ(fu),か(ka) |
※呉音は中国南朝の首都建興(南京)付近の音で、漢音より前に伝わる
※漢音は7, 8世紀の唐の長安の音
「火」と「日」の訓読み「ひ・ふ」が同じで、「日(太陽)」も「かがやく」から、「日」も「か」と呼ぶようになったとしたら面白そう。
次は「ひかる」
歌は「光るなら」
光るなら Short ver. | 光るなら |
---|---|
歌手:Goose house | 歌手:Goose house |
公開:2014年11月15日 | 公開:2014年11月2日 |
「ひ(hi)」は見つからないが、「火、ほ(ho)」なら福建省にある。
福建省の「火」
言語 | 火 |
---|---|
閩北語 | hǒ |
閩東語 | huōi / huō |
閩南語 | hóⁿ / hér / hé / hóe |
(Wiktionary:火)
「母音交換」という現象があって、たとへば、
木立 | 木 |
こだち(kodachi) | き(ki) |
「ほ(ho)」と「ひ(hi)」に、「母音交換」があったとすれば???
万葉集から
あしひきの 山下(やました)光る 黄葉(もみちば)の
散(ち)りの乱(まが)ひは 今日(けふ)にもあるかも
※あしひきの:「山」を修飾する「枕詞(まくらことば)」で、意味は未詳。
[原文]安之比奇能 山下比可流 毛美知葉能 知里能麻河比波 計布仁聞安流香母 |