クロアチアの「Kao ti i ja」(あなたと私のように)
歌詞の始まりは、
人々が歩いている
Ljudi prođu,だけど、愛を見ない
Ali ljubav ne vide…
城、壁を作って
Grade dvorce, zidove自分の上に広がる
Iznad sebe青い空を見ない
Nebo plavo ne vide
Google翻訳は、男女の判別が不明な場合、男女両方の訳を表示する機能を提供しはじめたそうです。まずは英語からスペイン語などに変換するときに利用できるようです。(「Google翻訳」、男女両方の訳語を表示--性的偏見の排除を目指す:CNETjapan)
クロアチア語も名詞が男性・女性・中性に分かれ、動詞も性別によって変化する場合があるので、Google翻訳では混乱することがあります。例えば上の歌詞にある「見る/videti(vide)」という単語ですが、「I saw(私は見た)」は
男性の場合 | vidio sam |
女性の場合 | vidjela sam |
になりますが、Google翻訳では「男性」がデフォルトになっています。性別が分かる文章(I am a girl)を入れ、なおかつ「,」で区切ると「女性」も判別された。「and」の場合は今のところ理解されないようです。
英語 | クロアチア語 |
I am a girl, I saw | Ja sam djevojka, vidjela sam(女性) |
I am a girl and I saw | Ja sam djevojka i vidio sam(男性) |
名詞に男性、女性、中性の区別があるのはインド・ヨーロッパ語族の特徴ですが、スラブ語・ロマンス語・ゲルマン語で違いがあるのか、上の歌詞にもある「愛/ljubav」で調べてみた。
言語 | 愛 |
クロアチア語(スラブ語) | 女性名詞(ljubav) |
スペイン語(ロマンス語) | 男性名詞(amor) |
ドイツ語(ゲルマン語) | 女性名詞(Liebe) |
クロアチア語の「ljubav」もドイツ語の「Liebe」も「to love」を意味する祖語「*lewbʰ-」に関連し、スペイン語の「amor」が「mother, aunt」を意味する祖語「*am-a-, *am- 」におそらく関連していると考えられているようです。(Wiktionary:Latin-amo)
「amor」だけ男性名詞ですが、「amor」の祖語は女性名詞からラテン語で男性名詞に変った可能性がありそうです。
祖語 (→) | ラテン語 (→) | スペイン語 |
*am-a-, *am- | amor | amor |
mother, aunt(母、叔母さん) | 男性名詞 | 男性名詞 |
「母」を語源に持つ「愛/amor」という説に沿って考えると、「母なる愛/amor」が男性名詞に変るには相当な思考チェンジが必要だと思われます。ラテン語はローマカトリック教会の公用語でもありますので、「父なる神が唯一の愛」であるキリスト教の影響があったのだろう?
信じる力について、歌詞から
あなたを信じている
Ja još u tebe vjerujem,信じている、だから笑顔になる
Vjerujem, pa se nasmijem…
あなたを信じている
Ja još u tebe vjerujem,信じている、だから悩まない
Vjerujem pa se ne brinem
Kao ti i ja
歌手 | Franka |
公開 | 2018年6月28日 |
歌詞翻訳サイト | LyricsTranslate |
参考
- love#Translations (Wiktionary)