インドネシアのシティPOP「君だけが"Only One"」- 東南アジアの音楽と言語(27)

インドネシアのシティPOP「Satu-Satunya」

意味は「Only One」

歌詞のサビから

1人で十分

Sudah cukup satu

君だけ

Hanya kamu

君だけ

Hanya kamu

君だけが"Only One"

Hanya kamulah satu-satunya

POPグループ「HIVI!(Haivai)」の歌は今回で2曲目。

前回は、ほんのり「山下達郎&竹内まりや」?風なシティPOPでした。

Satu-Satunya

歌手 HIVI!(Haivai) 
公開 2018年11月14日 

背景にある青いリングが気になったけど、何を意味しているのだろう?

上記の歌詞から

十分(enough)
十分(enough)1人(one)
Sudah cukupsatu

「sudah」は、インドのサンスクリット語「शुद्ध(śuddha)」が語源ということで、インド的に「リング/円」を解釈すれば「法(ダルマ)輪」や「輪廻」が思い浮かぶ。

「ダルマ」は「維持する」を意味するインドヨーロッパ祖語「*dʰer-」から発展し、インドの宗教で重要な概念となり、多種多様な意味合いで使われているらしいですが、根本に

(宇宙・世界・社会・人などの)秩序・調和を維持するもの

という考え方があるように思える。

ちなみに「शुद्ध(śuddha)」は、「pure/純粋な」「true/正しい」 という意味。

ダルマには「秩序・調和を維持するために適した行為(=正しい行為)」も含まれているようです。

もう一つの十分という言葉「cukup」の語源は、漢字の「足够」

「足够」の普通話や各方言の読み方は

方言発音
普通話 zúgòu
広東語 zuk1 gau3
客家語 chiuk-la
閩南語 chiok-kàu

ためしに日本語の呉音(5-6c頃の南京付近の発音)で読んでみると、インドネシア語(cukup)と結構似ている。

呉音su-ku

(Wikipedia)

(Wiktionary)