「神(かみ)」とアイヌ語「カムイ」- 日本の歌と言葉(6)

「神(かみ)」とアイヌ語「カムイ」の語源が同じという説もあるようです。

カムイとは、

アイヌ民族の伝統的な世界観では、カムイは動植物や自然現象、あるいは人工物など、あらゆるものにカムイが宿っているとされる。一般にカムイと呼ばれる条件としては、「ある固有の能力を有しているもの」、特に人間のできない事を行い様々な恩恵や災厄をもたらすものである事が挙げられる。
(Wikipedia:カムイ)

日本人が一般的に考える神の概念と共通しているような気がします。

動物を食料、衣服などにする行為は、現代ではほぼ儀式なしで行われています。アイヌは動物への感謝と再生への願いを込めた儀式として行っていましたが、1955年に北海道知事の通達によって「野蛮な儀式」として事実上禁止となり、2007年に撤回されたそうです。

感謝の儀式は、野蛮or文明?ちょっと考えさせられます。

その儀式が「イオマンテ 

イヨマンテの夜

歌手 伊藤久男
発表 1949年

歌(Wikipedia) イヨマンテの夜

火のカムイは、アペ・フチ・カムイ

アイヌ語で「アペ」が火、「フチ」は老婆の意味。

この「アペ(火)」で思い出すのが、マレー語の「api(火)」です。

参考記事:「あ」が太陽かも?という想像?!- 日本の歌と言葉(2)

fire(火)
マレー語 api
マレー祖語 *api

ちなみにマレー語「kami」は「わたし(たち)」で、「kamu」が「あなた(たち)」

(Wiktionary:api/kami/kamu)

水のカムイは「ワッカ・ワシ・カムイ」

川も、魚を運んでくれる力のある生物(頭が河口で、山奥が尻尾)としてカムイになっているようです。もしかして龍(蛇)神信仰に関連が?

山も、食料を恵んでくれる力のある樹木のカムイ(シランパカムイ)

大和の三輪山は、山がご神体らしいですが、こちらも関係があるのか?

気になるところです。

歌は「いきものがかり」の「ありがとう」

ありがとう

歌手 いきものがかり
発売 2010年
カバー high_note Music Lounge

万葉集、海の神について

海神(わたつみ)の いづれの神を 祈らばか

行くさも来さも(行きも帰りも) 船の早けむ(早いだろうか)

[原文]
海若之 何神乎 齋祈者歟 徃方毛来方毛 <船>之早兼

参考
万葉集/第九巻 - Wikisource
行くさ来さの意味 - 古文辞書 - Weblio古語辞典