現代において馴染みのあるクラシックは、ベートーヴェンをはじめとする19世紀のドイツ語圏の作曲家と啓蒙市民階層の聴衆の間で形成された音楽が多いようです。
つまり、お馴染みのクラシックとは19世紀ドイツ語圏の理論音楽?!
『西洋音楽史「クラシック」の黄昏』(中公新書:岡田 暁生著)を読んで感じた西洋音楽の特徴の変化を物凄く大雑把にまとめると、
ドイツ・イタリア・フランスのエリート支配層の音楽 | ||
理論・哲学・思考系 | 感情・情緒系 | |
古代ギリシャ時代 | 宇宙の調和"天球の音楽" | |
カトリック教会時代 | 宇宙の秩序(調和)を作った神の音楽 | |
絶対王政(王侯貴族) | ドイツは教会音楽 | イタリア・フランス、オペラの隆盛 |
ブルジョア啓蒙ロマン | ドイツは啓蒙音楽 |
交響曲などのドイツ語圏の啓蒙エリートの理念系音楽、それがお馴染みのクラシックの特徴だとすれば、年代も場所も限られた19世紀のドイツ語圏のエリート層の音楽ということになります。
そしてイタリア・フランスのエリートは感情表現の方(オペラ)を好んだ。
この違いが以前に調べた「見る」のインドヨーロッパ語族の語源説に似通っているのが面白い。
祖語 | *weyd- | ||
to see | |||
ゲルマン祖語 | *wītaną | ラテン語 | videō(vidēre) |
to see, know | I see(to see) | ||
ドイツ語 | wissen | イタリア語 | vedere |
to know | to see | ||
思考系 | 感覚系 |
フランス語の「voir」は感覚系と納得系の両方の意味があるようです。
そこで音楽は、年末恒例?ベートーヴェンの第九
「サントリー1万人の第九」
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ドイツのクラシックが哲学的なように、ドイツのシュラガーソングにも哲学的な表現を好む印象を受けていました。
これまでに聞いた世界の歌から受ける個人的な印象として、ドイツ語の歌は、特にシュラガーソングですが「Jetzt/Now/今」を強く表現しているように思える。
ドイツ・シュラガー「僕は君の生活のノーマルヒーロー」- ゲルマンの歌と言葉(21)
なぜなんだ?(もし印象が当たっているとしたら)
「Jetzt/Now/今」の他に、「immer/always/いつも」や「für immer/forever/永遠に」も強調されることが多く、「永遠の今」のような哲学的、思想的な表現が好まれるのだろうか?
ただシュラガーソングにはパーティーソングも多い。
ドイツでは水の代わりにビールを飲むという噂も聞きます。
"バランスが大事"
という観点での憶測ですが、論理を優先し合理主義の傾向が強い?ドイツ人も、ビールによって思考を抑え感情を出すようにしているのだろうか?
アルコールは、ドイツ人の思考と感情のバランスを取るもの???
合理性が強い分だけビールも多め???
歌は、夏はマヨルカ島、冬はアルプスと、リゾートでパーティーソングを歌う「Mickie Krause」の「Finger weg von Sachen ohne Alkohol」
意味は
アルコールの入っていない物に手を出すな!!
Finger weg von Sachen ohne Alkohol
Finger weg von Sachen ohne Alkohol
歌手 | Mickie Krause |
公開 | 2016年6月24日 |
参考
(Wikipedia)
(Wiktionary)